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ずいぶん前に買って読んでいなかった作品。 ”のびやかすぎる”三姉妹の、強くて、だからこそ脆さが感じられる物語。三姉妹の強さは 「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」に登場する女性達と近いと感じた。 強いけれど、だからこそ、どこか脆性的な空気が漂っていて、そこがキャラクタの魅力になっている。結局、次女の治子も末娘の育子も誰かが傍にいる事が自分の強さの土台になっている。長女も自分には夫が必要だという強迫観念に迫られ、それ故に別の大切なものを失うことを甘受している。どうしても”思いわずらって”しまう姿に親近感を憶える。 しかし、「ウエハースの椅子」もそうだけど、少しずつ、ほんの少しずつ自分の望んでいない所へ(だけれど抗えない方向へ)沈んでゆく重い空気に江國さん独特の怖さを感じた。 江國香織:思いわずらうことなく愉しく生きよ、光文社 ISBN:4334924352、2004.6.25、1800円
by tascabile
| 2004-09-19 17:56
| 読んだ本一般
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